書評『旅をする木』

本
私の好きな作家に星野道夫という方がいます。
実際には作家というより、エッセイスト、写真家、探検家です。
1978年にアラスカに渡り、以来、厳しい環境を生き抜く動植物の姿を写真に収めていく。1996年に急逝。
今回は星野氏の著書『旅をする木』を紹介します。

飾らない文章が心地よい

この本の内容は、アラスカでの著者の生活を綴ったものです。
現地での様々な人との出会い、別れ。
極北という環境の中で懸命に生きる動植物とのふれあい。
表現が大げさかもしれませんが、33篇ある話のどれもが、清く、美しいのです。
日常生活を綴った内容でも、飾らない文章が心に染み入るのです。
特に、人間や動植物を取り巻く自然の表現は、優しくも厳しいありのままの姿を描いており、アラスカの冷たく澄んだ風が心をよぎるような感覚がします。

写真は一切ない

著者は写真家として、アラスカの自然を写真に収めていましたが、この『旅をする木』にはアラスカの写真は一切載っていません。写真家のエッセイであれば挿絵程度に載ってるかもしれませんが、この著書には一切ありません。
上で書いたように文章によって自然の表現を完結しているのです。
読んでいくと、だんだんとアラスカがどのようなところなのか想像できてしまいます。
写真集があるので、そちらもおすすめです。

最後に

仕事が忙しくて心に余裕がない、自然をテーマにした本が読んでみたい!って人におすすめです。
毎日仕事に追われ、心がすり減ってると思う人は、1度読んでみると心が洗われるような気になります。
この『旅をする木』以外にも、著書や写真集、映像作品があるますので、気になる方は見てみてください。

ではでは

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